高度プロフェッショナル制度がITエンジニアに与える影響を考えてみた

最近のニュースは日大アメフト一色です。

確かに、気になる内容ではあります。

立場の弱い者が権力者に立ち向かう姿が、多くの方の共感を得ているのだと思います。

しかし、その裏で政府が高度プロフェッショナル制度という法案を可決しました。
<働き方法案可決>高プロ、懸念払拭されず(毎日新聞) – Yahoo!ニュース
制度を少し調べたところ、ITエンジニアにとっても大きな影響があることがわかりました。

今回はこの件について、個人的に考えたことをブログします。

高度プロフェッショナル制度とは

詳しい説明は多くのサイトに掲載されているため割愛します。

簡単に言うと「働いた時間ではなく、働いたことによる成果に対して給与を支払う」ということです。

能力の高い人は短時間で高額な給与を得ることができますが、能力の低い人は長時間働いても給与が増えないということです。

現在の労働基準法では働いた時間に応じた給与を支払はなくてはならないため、能力の低い人が長時間働くと成果に見合わない給与を支払うことになります。

そのため、給与を支払う会社側は高度プロフェッショナル制度を推進し、その後押しを受けて法案が可決されたようです。

ITエンジニアへの影響

高度プロフェッショナル制度が、会社に勤めるITエンジニアにとってどのような影響があるかを考えてみました。

ITエンジニアと言っても職種は多種多様です。

よって、上流工程を担当するストラテジスト、プロジェクトマネージャと、下流工程を担当するシステム設計者、プログラマに分けます。

ストラテジスト、プロジェクトマネージャ

高度プロフェッショナル制度を適用する年収の条件が1千万円以上(今後下がる可能性大ですが・・)ということから、制度の対象者が最も多い職種と思います。

しかし、ストラテジストやプロジェクトマネージャの仕事を考えると、制度を適正に運用することが難しいといえます。

その理由は、会社の仕事は1人で行っているわけではないからです。

例えば、能力の高いプロジェクトマネージャが制度の対象となった場合、短時間働けば良いかというとそうはならないと考えます。

プロジェクトメンバーが仕事をしている中で、自分だけ早く帰るようではプロジェクトは上手くいかないからです。

ストラテジストも一緒で、企画だけして早く帰るようでは、いかに成果につながる企画であっても上手くいかないといえます。

そもそも、仕事の成果はストラテジストやプロジェクトマネージャだけのものではないため、成果に対して給与を支払うことも簡単ではないといえます。

システム設計者、プログラマ

当面は年収の条件から制度の対象外となる方が多いかもしれませんが、適当されると大きな影響を受けると思います。

システム開発作業の成果は生産性で評価されます。プログラマだと1人が1ヶ月に何ラインのプログラムを書けるかということです。

システム設計者の場合はプログラムが設計書になります。

この生産性は、システム設計者やプログラマの能力により数十倍の差があると言われています。

よって、能力の高いシステム設計者やプログラマーは早く帰れて、高い給与をもらえるということになります。

しかし、ストラテジストやプロジェクトマネージャと同じで、こちらもそうはいかないといえます。

プロジェクトメンバーが仕事をしている中で、自分だけ早く帰るようではプロジェクトは上手くいかないからです。

能力の高い者は、能力の低い者のサポートをすることが求められます。

その上、システム開発を成功させたとしても、その成果はストラテジストやプロジェクトマネージャの能力に依存します。

企画内容やプロジェクト管理に問題があると、成果として認められないからです。

あとがき

高度プロフェッショナル制度は、会社勤めのITエンジニアにとってデメリットが多いと思います。

フリーランスのITエンジニアであれば成果=給与となりますが、これはハイリスク・ハイリターンな働き方だといえます。

一方、会社勤めのITエンジニアはローリスク・ローリターンな働き方だといえます。誰しも調子の良い時、悪い時がありますが互いに助け合うことができるためです。

この制度を会社勤めの方に適用すると、助け合いがなくなり自分の成果のためだけに働くことになります。そして、その成果が認められるかは会社次第となります。

結果、会社勤めのITエンジニアはハイリスク・ローリターンという状況になるかもしれません。

そうなると、能力の高い人はハイリスクを覚悟しハイリターンを求めるかもしれません。すなわち、会社を辞めフリーランスになるということです。

その結果、会社に残るのは能力の低い人ばかりとなります。給与の削減によるコストカットどころか競争力自体がなくなるかもしれません。

とはいえ、制度は法案として可決したので、会社勤めのITエンジニアの方はフリーランスとしてもやっていけるように能力を高めることが必要かと思います。

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