ITエンジニアの会社員が情報処理安全確保支援士として登録するメリットを考えてみた

情報処理安全確保支援士試験の合格者は、情報処理安全確保支援士(以下「支援士」)として国の名簿に登録できます。この登録には2万円の手続費用、維持には3年間で14万円の講習費用がかかります。

インターネット上では登録や維持の費用が高すぎるとの批判が多くあります。たしかに、ITエンジニアの会社員が自腹で支払うには高いといえます。

情報処理推進機構は、支援士として登録するメリットを次の3つとしています。

  • 国家資格「情報処理安全確保支援士」の資格名称を使用できる
  • 情報セキュリティに関する高度な知識・技能を保有する証になる
  • 毎年の講習受講により、情報セキュリティに関する最新知識や実践的な能力を維持できる

この中で、1つめの資格名称の使用は支援士として登録していないと罰則が課せられますが、他は試験の合格や個人で講習やセミナーを受講すれば良い話です。

そう考えると、支援士の資格名称を使用できることが、支援士として登録するメリットになると思います。ということで、今回はこのメリットについてブログします。

士業の仲間入りができる

支援士は資格名称を使用できる士業です。
士業 – Wikipedia
士業には弁護士、司法書士、公認会計士、社会保険労務士および中小企業診断士などがあります。

高度かつ専門的な国家資格を取得した者に、特定業務や資格名称の独占が法律で規定されます。専門家として、社会的なステータスが高いです。

士業の国家資格は難易度が高く、資格学校や通信教育での勉強を年単位でしないと合格できません。業務多忙なITエンジニアの会社員にはハードルが高いといえます。

一方、支援士も難易度が高い国家資格ですが、もとは情報処理技術者試験の1区分であったことからITエンジニアにとっては比較的容易に合格できる試験です。

よって、支援士は、ITエンジニアが士業の仲間入りをするための最短ルートといえます。

ちなみに、ITエンジニアの士業としては技術士(情報工学)がありますが、IT業界での知名度が低いことから、支援士の方がメリットが大きいと思います。

第二の名刺に箔が付く

会社員が本業以外の名刺を作り、自分の知識やスキルを活かした活動を行うことが多くなってきているとのこと。

NPOサポートプロジェクト | NPO法人 二枚目の名刺

この活動を行うにあたって、士業と名乗れることのメリットは大きいと考えます。

活動する分野にもよりますが、ITに詳しくない相手に資格への興味をもってもらい話のきっかけとする、さらには、国が認定する士業という安心感を与えるなどです。

このあたりは、経営コンサルタントの中小企業診断士に近いと思います。経営者が話を聞く場合、どこの馬の骨ともわからない人より、中小企業診断士の方が話を聞いてもらえる可能性が高いということです。

そして、情報処理安全確保支援士というお堅い名称もITに疎い方には受けが良いかもしれません。また、対象者像は次のとおりとされており、セキュリティの専門家として高度かつ専門的なイメージではないでしょうか。

対象者像
サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し,また,サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い,その結果に基づき必要な指導・助言を行う者
情報処理推進機構サイトより引用

活動できる業務は広い

支援士は業務独占が規定されていないため、高い費用をかけて登録や維持するメリットがないという意見もあります。しかし、業務が限定されていないため、様々な業種や業態で活動できます。

今どき、ほとんどの企業はITを利用しており、支援士が専門とするサイバーセキュリティの対策が必要です。この対策はシステム監査、コンサルティング、脆弱性診断および社員教育など多種多様です。

とはいえ、本格的な活動ができない場合は、情報処理推進機構の情報セキュリティプレゼンターや警察のサイバー犯罪ボランティアなど、気軽に活動できる制度もあります。

さらに、時間があればサイバーセキュリティに関する電子書籍の出版や専門ブログの開設などもありかと思います。

あとがき

このブログの過去記事では、支援士は名称独占以外のメリットはないため、登録することに否定的な意見を書いてきました。

しかし、業務独占の士業といえども、それだけで食えるということはなく結局は個人の能力です。そういったことから、支援士として登録するメリットは、資格名称を使用していかに活動するかにかかっているといえます。

仕事人生50年と言われる中で、会社だけでなく、個人としての活動がこれからの時代は必要だと思います。支援士に登録することが、個人として活動することの「きっかけ」になるのではないでしょうか。

そういった意味で、会社負担ではなく、あえて個人として自腹で登録するのもありかと思います。


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