情報処理安全確保支援士試験 IT系業種からの応募が最も減少している件について

平成29年度秋期情報処理安全確保支援士試験(以下「支援士試験」)と、平成28年秋期情報セキュリティスペシャリスト試験について、IPAの統計資料をもとに業種別の応募者数を比べてみました。

IT系業種は「ソフトウェア業」「情報処理・提供サービス業」「コンピュータ及び周辺機器製造又は販売業」の3つ、それ以外を他業種としています。

その結果、IT系業種からの応募者数は約3割減と他業種などからの応募と比べて最も減っています。支援士は企業システムのサイバーセキュリティ対策を支援するスペシャリストなので、IT系業種からの応募が減るのは想定外だといえます。

私はIT系業種の応募者数が減った原因として一番大きいのは、情報セキュリティ資格としてのキャリアパスが曖昧になったからだと思います。

同等レベルとされる前身の情報セキュリティスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験の高度区分かつスペシャリスト系の試験でした。このため、下位試験の基本情報技術者、応用情報技術者を合格したITエンジニアが、スペシャリスト系の試験として受験するキャリアパスが明確でした。

一方、支援士試験は情報処理技術者試験の枠組みから外れました。すなわち、制度上、情報処理技術者試験ではありません。このため、情報処理技術者試験の高度区分かつスペシャリスト系の試験という位置づけが曖昧になりました。

支援士試験の制度を創設した方は、国家資格として格上げすれば受験者が増えると考えたのかもしれません。このことは「情報系初の国家資格」という、支援士制度のキャッチフレーズからも感じられます。

しかし、セキュリティスペシャリストとして期待されるIT系業種のITエンジニアからは、支援士の位置付けがキャリアパスとしてわかりにくいため敬遠されたのが現状ではないでしょうか。

相対的に増えたのが、他業種の管理職層と思います。昨年創設されたユーザ側の情報セキュリティマネジメント試験に合格し支援士試験に挑戦する方も多いと思います。

新しいキャリアパスですが、ITエンジニアではない方が高度な情報セキュリティの専門家である支援士という構図には少し違和感を感じます・・

管理職層の年配者には国家資格は魅力的に見えるのかもしれません。この状況を裏付けるように、応募者の平均年齢は上がっています。


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