私は、指定したキーワードのニュースや記事を、定期的にメールでお知らせしてくれる「googleアラート」というサービスを利用しています。先日、サイバー犯罪捜査官をキーワードとするお知らせの中に、気になる記事を見つけました。
この記事には、サイバー犯罪捜査官に合格した著者が、着任してから辞めるまでの話が書かれています。とてもリアリティーがあり、赤裸々かつ面白いため読みごたえがあります。
内容の真偽はわかりませんが、辞めた原因がパワハラと書かれています。ネット上では、優秀なIT技術者を活用できない警察の体制などに批判が集まっています。確かに、記事の内容だけで考えるとそうかもしれません。
しかし、私はあえて違う視点から考えてみました。あくまで個人的な見解としてブログします。
サイバー犯罪捜査官とは
警察は、サイバー犯罪と戦うため、IT技術者をサイバー犯罪捜査官として中途採用しています。情報セキュリティ関連の資格を持っていることが条件ですが、実務経験はシステム開発業務でよいため、IT技術者なら誰でも応募できるといえます。
警視庁のサイトでは「先輩の声」として、サイバー犯罪捜査官として採用された方の声が掲載されています。
警視庁と地方警察では扱いが違うのかもしれません。しかし、サイバー犯罪捜査官として、充実して職務に従事されている方がいることも事実だといえます。
私が考えるサイバー犯罪捜査官の実態
私はサイバー犯罪捜査官に憧れ、一時期、本気で受験しようと考えたことがあります。しかし、警察の組織を知れば知るほど、その気持ちが無くなっていきました。
まず、採用時の階級が巡査部長という点です。警察官の階級では、下から2番目あたりです。企業でいうと主任というレベルではないでしょうか。
30代のIT技術者が転職した場合、給料が下がるケースがほとんどだと思います。また、叩き上げの現場管理者から顎で使われるのも当然だといえます。
さらには、警察はキャリアとノンキャリアの差が明確、かつ厳格な階級社会です。軍隊と一緒で指揮命令がしっかりしてないと、命に係わる職務の支障となるからです。
そんな階級社会の警察で、入社して1年もたたない新参者に、サイバー犯罪に係わる捜査、すなわち機密情報を扱わせる職務が少ないのは当然のような気がします。
また、犯罪捜査には強い忍耐力と理不尽に対する耐性が求められるといえます。サイバー犯罪とはいえ、犯罪は人が犯すものであるため、常識や論理が通用しない犯罪者と対峙するかもしれません。
このとき、耐える素養があることもサイバー犯罪捜査官には求められると思います。バックオフィスで解析するだけなら、なにも警察官でなくてもよいからです。
記事には「周りにIT技術の知識を持ってる人もいない」と書かれていますが当然だと思います。なぜなら、警察がサイバー犯罪捜査官を中途採用しているのは、IT知識を持つ方が不足しているからです。
サイバー犯罪捜査官にはIT技術の知識を活かし、わからない人にわかるように説明することが求められるのではないでしょうか。その場合、高度なドキュメンテーションスキルやコミュニケーションスキルが必要です。
記事に書かれたパワハラが許される、旧態依然の地方警察を擁護するわけではないですが、テクニカルな話ばかりしていたとすると、周りの態度が厳しくなるのは仕方ないといえます。
あとがき
記事の著者は外資系出身ということです。外資系は自由活発で、実力主義かつ論理重視です。警察は真逆で、勘と経験と度胸を重視する組織です。さらに、体育会系の風土に耐える免疫がないと正直勤まらない職務だといえます。
そういった意味で、記事の著者が辞めたのは賢明な判断と思います。
今後、サイバー犯罪捜査官を目指される方の参考になればと思います。
コメント
これはあなたが書かれましたか?
購入しようか迷っています
兵庫県警察の情報処理区分(サイバー犯罪捜査官) ~受験・合格・警察学校入校~
https://note.mu/denken/n/n9252961d4985
恐れ入ります。
下記サイトにてこちらの記事が無断転載されているようです。
http://kiki21806.s1002.xrea.com/?p=4105
無断ではなく、ITプロマネのブログ様が許諾済みであれば大変申し訳ありません。
匿名希望さま ご連絡ありがとうございます。不正サイトの恐れがあるため確認はしておりません。とりあえず放置しておきます。