プロジェクトマネジメントの標準と資格の特徴およびキャリアパスについて

プロジェクトマネジメントの標準には多くの種類があります。私が取得している国際資格のPMPは、その中の一つであるPMBOKに準拠しています。PMBOKはプロジェクトマネジメントのデファクトスタンダードと言われています。

世界には、PMBOK以外にプロジェクトマネジメントの標準として、国際標準であるISO21500や、各国の団体が提唱するP2M、PRINCE2、ICBなどがあります。

今回は、これらプロジェクトマネジメントの標準と資格の特徴、およびキャリアパスについてブログします。

プロジェクトマネジメントの標準と資格

ISO21500

2012年に制定されたプロジェクトマネジメントの国際標準です。世界各国の団体における、プロジェクトマネジメントの標準を包括的に含んでいます。この背景には、プロジェクトマネジメントの標準が乱立しており、国際的なプロジェクトの意思疎通に問題があることがありました。

プロセス志向であり、後述するP2MやPMBOKと類似する部分が多いと言えます。ただし、包括的な内容であるため、大きな枠組みや用語の定義にとどまる内容となっています。

資格としては、情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャが準拠しています。その他、知名度は低いかもしれませんが、PMO協会のPMOスペシャリスト認定資格や株式会社ARKのDPEExpertなどがあります。

P2M

日本プロジェクトマネジメント協会が制定する、プロジェクトマネジメントの標準です。プロジェクトマネージャに求められる実践力として、思考能力、体系的知識、マネジメント行動スキルおよび基本姿勢を重視しています。また、プロジェクトを戦略型とオペレーション型に分類してプロセスの知識を定義しています。

まだまだ知名度が高いとは言えませんが、P2M標準ガイドブックは、日本のプロジェクトマネージャにとって必見だと言えます。なぜなら、日本で作成されていることもあり、日本の産業構造や実務慣行に則した内容となっているからです。

資格としては、プロジェクトマネジメント協会が実施している、PMC、PMS、PMRなどがあります。上位資格のPMRはIT技術者のスキルを定義するITSSのレベル6であり、国内のハイエンドプレーヤーとして認定されます。受験条件として、上位資格は下位資格の合格などがあります。継続学習もポイント制で課せられます。

PMBOK

米国プロジェクトマネジメント協会が制定する、プロジェクトマネジメントの標準です。歴史は古く、国際的なデファクトスタンダードとして幅広く認知されています。プロジェクトマネジメントのプロセスを知識体系として整理しています。職務・倫理規程に基づく懲罰制度もあり、プロフェッショナルとしての責任も問われます。

資格としてはCAPM、PMPなどがあります。この他にもプログラムマネジメント、ビジネスアナリシスおよびアジャイル開発などに特化した資格がありますが、日本語では提供されてません。受験条件として、プロジェクトマネジメントの実務経験と、公式な講習の受講があります。さらには、英語での受験申請や経歴監査など、受験のハードルが高いといえます。

PRINCE2

イギリス政府機関が開発した、プロジェクトマネジメントの標準です。イギリス以外の国にも広まっています。プロセス思考であり、PMBOK同じようにプロセスの知識をプロジェクトマネジメントの手法として定義しています。

資格としては、ファンデーションとプラクティショナーという2種類があります。

ICB

スイスに拠点を置く、国際プロジェクトマネジメント協会が制定したプロジェクトマネジメントの標準です。欧州におけるプロジェクトマネージャ認定の標準ガイドラインとされています。

プロジェクトマネジメントの標準の多くは、プロセスを主としていますが、ICBはプロジェクトマネージャのコンピテンシー(知識、経験、個人の資質)を重視しています。

資格としては、ICBをコンピテンシーのベースラインとし、各国が自国の文化や風土を考慮した要件を加え、資格制度として運用されています。

プロジェクトマネジメント標準の特徴

プロジェクトマネジメントの標準を、相関図で考えてみました。マッピングする比較軸としては次の2つです。

1つ目はプロジェクトマネジメントのプロセス重視と、プロジェクトマネージャのコンピテンシ重視です。2つ目は標準が定める内容が具体的か抽象的かです。

私の独断と偏見でマッピングすると下図のとおりになります。

プロジェクトマネジメント資格のキャリアパス

国内のIT分野で、プロジェクトマネージャを目指す場合のキャリアパスを考えてみました。

結論から言うと、国際資格のPMPを取得しておけば良いと考えます。なぜなら、デファクトスタンダードであるPMBOKの体系的な知識と、3~5年以上の実務経験を証明できるためです。

PMBOKは第5版より、国際標準のISO21500を意識した改訂がされています。知識エリアにステークホルダマネジメントが追加されたなどです。相関図からも、プロセス重視という点でISO21500と近いですが、PMBOKのほうがより具体的です。

国内という意味ではP2Mに準拠した、PMC、PMS、PMRも具体的かつ実用的です。しかし、実務経験があることを証明できるPMRは受験料だけで20万円を超えます。取得者数が少なく、知名度が低いことから費用対効果が高いとは言えません。

実務経験の証明を重視しない場合は、情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャも有力です。ただし、体系的な知識という点では、ISO21500を深く理解しなくても、論文を体裁よく書ければ合格できるため、その評価は分かれると思います。

あとがき

個人的には、プロジェクトマネジメントの能力は、資格で評価するのが難しいと思います。しかし、最低限の知識や経験を第3者に証明するため、資格を取得することに意義があると考えます。

プロジェクトマネジメントのスキルを習得したい方は、まずは、PMBOKに準拠したCAPMまたはPMPを取得することをお勧めします。体系的に学んだ知識は実務で役立つこと間違いないと言えます。

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