システム監査技術者試験 論文B判定の不合格者が考える採点者に伝わる論文について

情報処理技術者試験の申込受付が1月12日より開始されました。私は前回の試験で論文B判定となり不合格となった、システム監査技術者試験のリベンジを考えています。ということで、採点者に伝わる論文の書き方を考えてみました。

私の備忘を兼ねてブログします。

なお、システム監査技術者試験を受験する方向けの記事なので、監査用語をそのまま書いています。

伝わる論文とは

情報処理技術者試験の論文では、小説のような高尚な文章は求められません。試験区分の知識や経験を採点者に伝えれば良いです。しかし、伝えることが難しいため、論文は難関と言われています。

なぜ、伝わらないのか?私は自分の論文を振り返り、その問題に気付きました。今回は、その中で3つ挙げます。

  1. 文章が論理的でない
  2. 文章に軸がない
  3. 文章が言葉足らず

これらを考える際に、留意すべきことがあります。採点者は短時間で多くの論文を読むということです。多分、一人の受験者の論文を読むのは1回程度で、読み返す時間はないと思います。

このため、前述の問題がある論文は、採点者が理解できず、最後まで読まないかもしれません。そうすると、試験区分の知識や経験を評価できず不合格になります。私の論文がまさにそうだったと思います。

では、前述の問題について、伝わる書き方を考えていきます。

文章が論理的でない

論理は共通認識です。このため、論理が正しければ採点者へ伝わります。情報処理技術者試験の論文評価ポイントにも、論理性が明記されています。特に、システム監査技術者試験では、面白さやリアリティより、論理性が重視される傾向が強いと、私は思います。

文章の論理は大きい概念から考えるとわかりやすいと思います。

帰納法と演繹法

論理的な考え方として、帰納法と演繹法があります。用語が難しいので、帰納法は「AとBとCだからD」、演繹法は「AだからB」と、私は理解しています。

システム監査技術者試験の論文は監査手続が合否の判断ポイントと考えます。監査業務という性格上、監査項目について、監査証拠に基づき監査意見を表明します。このとき、帰納法と演繹法を意識して書くと論理的になります。

帰納法を使う

「AとBとCだからD」です。論文では、最初に列挙するキーワードまたは数を書くと論理を強調できます。列挙した内容に漏れや重複がないか、粒度やレベル感が揃っているかのチェックも大事です。

監査証拠A、B、Cを確認した。
Aは~。Bは~。Cは~。
その結果、指摘事項をDとした。

演繹法を使う

「AだからB」です。3段論法とも呼ばれますが、私は単純に因果関係と理解しています。論文では、文章として違和感がなければ、結論を最初に書くと論理を強調できます。前提が合っているか、論理の飛躍がないかのチェックも大事です。

私は指摘事項Bとした。(結論)
なぜなら、Aだからである。(理由)

書き終えて気付いたのですが、上記の基本的な考え方を以前の記事にも書いてました。

実業務で使えるロジカルプレゼンテーションの本を読みました

論理の構成と接続

論理を文章として書くには、論理の構成と接続が重要です。これが、体系的かつ網羅的に整理できていると、首尾一貫した文章が書けます。私の場合、わかっているようで、わかっていないことに、この記事を書くことで気付きました。

構成は等価、対立、因果の3つが基本だと言えます。これらを、さらに分けて接続詞を整理しました。

  • 等価:例示(例えば)、言い換え(すなわち)、要約(つまり)、具体(具体的には)
  • 対立:反対(しかし)、比較(一方)
  • 因果:理由(なぜなら)、結果(その結果)

接続詞の表現には、多くの種類があります。しかし、私は論文においては、代表的なものを繰り返し使うべきだと考えます。なぜなら、採点者と解釈が相違しにくい、かつ表現を選ぶ時間が不要だからです。小説ではないので、微妙なニュアンスにこだわる意味はないと考えます。

なお、接続詞は文章の流れから不要な場合に省略することがあります。文章のテンポが良くなり引き締まるからです。しかし、論文では積極的に接続詞を使うべきだと考えます。なぜなら、採点者に論理を強調できることや、状況によっては文字数を稼げるからです。

文章に軸がない

1つの文章は主語と述語で書かれます。主語と述語は文章の軸ですが、主語が省略または曖昧になっている文章をよく見ます。論文は自分の知識や体験を、採点者に伝える必要があるため主語が重要です。

私の論文を振り返ると、主語が書けていない文章が多いです。このため、自分がしたことが、採点者に伝わっていなかったと言えます。主語が書けていない原因は次のとおりです。

  • 主語と述語が離れている
  • 主語と述語がねじれている
  • 修飾語と目的語が長い

これらの真因は、1つの文章が長いことにあると言えます。主語と述語を近づける、単文に分解するなどを行うと、文章の軸がしっかりします。ただし、単文に分解しすぎると、意味のつながりが分かりずらくなるので注意が必要です。

私は、A氏が入退室管理のため記録している紙台帳と、システムが監査証跡として記録している電子ログを照合した

↓(主語と述語を近づける)

A氏が入退室管理のため記録している紙台帳と、システムが監査証跡として記録している電子ログを、私は照合した

↓(単文に分解する)

A氏は入退室管理のため紙台帳を記録している。システムは監査証跡として電子ログを記録している。私は照合した

文章が言葉足らず

採点者は受験者の会社やシステム、そして実務経験を全く知りません。それを前提に考えると、注意すべき点が見えてきます。

用語に注意する

システム監査技術者試験の論文では、監査対象の会社やシステムを冒頭で書きます。このとき、受験者本人のみ詳しいことが盲点となります。会社の中でしか通用しない用語をそのまま書いてしまうからです。

小売業、製造業、流通業など一般的な業種なら通用する場合もありますが、特殊な業種の場合は、かなり注意しないと伝わりません。冒頭で意味不明な用語が出てくると、採点者はそれ以上読まないかもしれません。

私の会社もかなり特殊な業種です。論文を振り返ると、採点者には伝わりにくい用語のオンパレードでした。

論文試験では、受験者の業種を問われるわけではないので、あまり特殊な業種の場合は、一般的な業種で準備する方が良いかもしれません。午後問題や合格論文集には、ネタがたくさんあります。

特に、システム監査技術者試験では、自分の経験から熱く語る必要はありません。第3者の立場で、監査対象の会社やシステムを書くということから、自社で無いほうが良いかもしれません。

5W2Hを常に意識する

あとは、基本中の基本ですが5W2Hです。第3者に説明するときのフレームワークです。ポイントは日本語で覚えることです。日本語で覚えておくと、書くときに直感的に使えます。

  • Where(どこで?)
  • When(いつ?)
  • Who(誰が?)
  • What(何を?)
  • Why(なぜ?)
  • How(どうやって?)
  • How much(どのくらい?)

書く順番はケースバイケースですが、私は自分の中で上記の順番を基本としています。これも、あらかじめ決めておくと余計な時間をかけなくても良くなります。

なお、論文で大事なのが、理由や根拠を説明するWhy(なぜ?)と、定量的な説明をするHow much(どのくらい?)だと考えます。

具体的かつ例示を意識する

採点者に自分の行動をアピールするためには、具体的に伝える必要があります。接続詞で言うと「具体的には」というキーワードを使います。問題の設問で具体的に述べよと指定されている場合は、必ずこのキーワードを入れるべきだと、私は思います。

もう一つの伝え方として、何かに例えるという方法もあります。接続詞で言うと「例えば」というキーワードを使います。全て知っている、または経験しているが、論文ではピックアップして説明している感を出すこともできます。

私は、論文でこれらのキーワードを使うメリットは2つあると考えます。

1つは、書く内容がたいして具体的でなく、例えてもいない場合でも、採点者にそれっぽく伝わるかもしれないからです。2つ目は論文の文字数を稼ぐことができます。文字数が足らない場合に「具体的には」「例えば」と強引にでも書けば、最低文字数はクリアできるかもしれません。

あとがき

記事の内容を読み返すと、自分の整理のためだけに書いたような内容になってしまいました。ですが、多少でもシステム監査技術者試験を受験される方の参考になればと思いブログとして公開します。

私としては、書くことでより理解が深まりました!

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