システム監査技術者試験 論文B判定の不合格者が考える難易度について

今年の春、私はシステム監査技術者試験を午後Ⅱ論文B判定で不合格となりました。この悔しさをバネに再受験を検討しています。

今回は不合格の体験をもとに、私の独断と偏見でシステム監査技術者試験の難易度についてブログします。

不合格の私が言うのもなんですが、最短で試験を攻略するには、まず相手、すなわち試験を知ることが必須です。そして、試験において最も知っておかなければならないことは難易度です。

最近、実業務でデータ分析を担当していることから、この難易度についてIPAが公表している統計データより考えてみました。

システム監査技術者試験とは?

システム監査技術者試験は、情報処理技術者試験における最高峰の一角と言われています。IT業界の方なら名前ぐらいは知っているのではないでしょうか?

ウィキペディアには次のとおり書かれています。

システムを外部から経営者の視点に立って監査するという性質上、受験者は技術者と言うよりも経営者側に立つ人が多い。もちろん情報処理技術者試験の一区分として実施されていることから、システムエンジニアのキャリアをバックグラウンドに持つ受験者も多い。合格者の平均年齢は40歳を超え、高度情報処理技術者試験の中でもITストラテジスト試験やプロジェクトマネージャ試験と並んで最難関の一角とされる。また、省庁・官庁での職位任用・階級評価試験としても利用されており、公認会計士試験、税理士試験などと並び最難関の試験として評価されている。

なんと最難関が2回も出てきます。これを読むと、到底サラリーマンでは合格できない試験と思えます。

ちなみに、「並び」とされている公認会計士試験や税理士試験は、2000時間以上の勉強かつ専門の資格学校に通うことが必須といわれています。

本当に最難関というほど難しいのか?

統計データから見る難易度

システム監査技術者試験は、平成6年春期まで情報処理システム監査技術者試験という名称でした。当時の難易度は驚く程高かったと言われています。

なぜなら、情報処理技術者試験の受験に年齢制限があり、かつ下位試験の名称からもわかるとおり、第2種情報処理技術者試験、第1種情報処理技術者試験という選抜形式で受験するのが普通だったからです。

第1種情報処理技術者試験は制度上、現行の応用情報技術者試験と同格とされていますが、ベテランプログラマー御用達の試験でした。難解なアルゴリズムが理解できないと何も書けないというレベルです。(この話は私が新入社員の頃、コボラーの大先輩から聞きました)

応用情報技術者試験のように、ストラテジ系などという経営用語の知識と国語力があれば解答できるような試験ではないということです。

先に述べた、情報処理システム監査技術者試験はその上位に位置付けられ、第2種情報処理技術者試験、第1種情報処理技術者試験を潜り抜けた猛者が受験します。そして、合格率は6~7%とまさに、最難関に相応しいものでした。

その後、平成6年秋期よりシステム監査技術者試験という名称に変更され、合格率が徐々に高くなりました。特に、平成21年度の制度改正以降は、下図のとおり合格率が13~14%で推移してます。

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一方、応募者数、受験者数を見てみると、年々減少していることがわかります。

特に、応募者数の落ち込みは大きく、易化とともに、システム監査技術者試験が注目されなくなっていることを示していると言えます。

この原因は、システム監査の法制度化が一向に進まないからです。難易度が高いわりに、合格しても実利的なメリットが少ないため、新規の受験者が増えないことが推察されます。

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結論、かなり昔は「落とすための試験」でしたが、現在は「ある一定数を受からせるための試験」に変わってきたと考えられます。ただし、再受験組が多いとなると、新規受験者からみた難易度は高いと言えるかもしれませんが・・

論文B判定の不合格者が考える難易度の実態

私は、システム監査業務を未経験ですが、前述のとおり昨年度に初受験して午後Ⅱ論文B判定でした。このときの勉強時間は大体100時間でした。1日平均1~2時間を2カ月くらいでしょうか。

A判定とB判定では大きな差があると言われていますが、その下にC判定、D判定があることを考えると、あと少し頑張れば合格と考えています。

不合格の私が言うのもなんですが、システム監査技術者試験は、監査の視点や論点が理解できると以外に簡単だと思います。

さらに、この試験を受ける方の大半が監査業務を未経験だと思います。なぜなら、システム監査業務は、開発や企画業務ほどメジャーではないからです。

何が言いたいのかと言いますと、未経験でも十分合格できる試験だということです。特に論文は、論文集などを読むとわかりますが、論点や説明の組み立てが似通っています。

私は不合格を振り返る中で、システム監査技術者試験の難易度に係る3つの特徴に気付きました。

問われ方が素直

論文問題の問い方自体が「AとBについて答えよ」とシンプルであるため、解答も「Aについては~、Bについては~」とすればよいと考えます。この場合、Aには監査項目などの監査用語が入ります。監査用語についてネタを用意していれば問題なく書けます。

これは、試験委員の方々に監査畑の方が多く、真面目な方が多いからではないかと思います。逆に言うと、実務経験から「この時はAではなくて、Cが大事なんだ」などと、少しひねって解答すると不合格になると思います。

体系化されている

監査業務は体系化されているため、論述の順番が決まっています。実施フェーズであれば、監査目的→監査範囲→監査項目→監査要点→監査手続と体系的に説明すれば合格論文に近いものが出来上がります。合格論文を数個読むと大体のパターンが掴めると思います。

基準どおりでよい

これも大きな特徴です。経済産業省から解答の要点が提示されています。システム監査基準とシステム管理基準です。

当然ながら、システム監査技術者試験も、これら基準に準拠し解答しなければなりません。逆に考えると、問われたことについて、基準に照らして解答すれば良いということになります。

長々と特徴を書きましたが、私の個人的な意見としては、難易度はそれほど高くないと考えます。個人的には、実務経験からリアリティのある状況を論文で求められる、プロジェクトマネージャ試験やシステムアーキテクト試験の方が難しいと思います。

まとめ

世間ではいまだに、旧制度、すなわち合格率6~7%の難易度で語られることが多いです。このため、合格するメリットとしては、職場などで、特に年配者から「すごい試験に合格したねー」と言われることでしょうか。合格報奨金もITストラテジストと同額という企業も多いようです。

しかし、実態の難易度はそこまで高くはないと考えます。最近のシステム監査は経営目的と整合したシステムの有効性が重視されています。経営的な知識がある方の場合、システムアーキテクト試験などより簡単かもしれません。

ということで、興味がある方は、来年春に受験されては如何でしょうか。

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コメント

  1. aluckys2009 より:

    その2000時間といった極端に短い時間の考え方に固執しないことです。
    学校が教材を売るためにばらまいた宣伝文句です。

    栄養士や保育士、技能士補など無試験でもらえる資格であっても、2年制の専門学校を卒業時点で2000時間の学習をしていることになります。

    多くの技術者はこういった広くばらまかれた情報に騙されています。

    専門学校で勉強する場合、基本情報技術者でも午前免除を受けるまでに700時間の学習は最低していることになります。

    これは私見ではなく事実です。
    自分たちで合格までの時間で100時間だとか500時間だとか言わさせられることで、社会評価が悪くなり、そのとおりに公的機関が簡易化するという悪循環に陥っていることに気付くべきです。公的機関は知名度や社会評価で刷新と称して新たに難易度を作り直すことが往々にしてあります。

    情報系人材を過小評価したい人が沢山います。そういった人たちが世間に広域的に広めてしまえば、情報処理技術者試験の合格者の給与を減らし社会評価も悪くできると考え付け込んでしまいます。

    多くの場合、資格の評判を牛耳っているのは、資格の予備校すなわち経理や法律の学校です。経理や法律の資格は大幅に簡易化しないのに、情報処理やコンサルに関する国家資格ばかり簡易化するのは、あとから格下だったかのように仕向ける意図があります。
    受験者の水準を見ても法律系試験と大差の無いものばかりです。

    したがって、合格した場合の学習時間のアンケートは正直にこれまでかかった長期間を書きます。たとえ5桁であっても書きます。そうしないとますます資格の価値が無くなることでしょう。

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